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小野不由美先生著 黒祠の島 の感想。
屍鬼も一緒に少しネタバレしてます。
神領浅緋。
小野作品の《宿命の少女》は萌える。
屍鬼の沙子と辰巳も、沙子と室井さんも素敵だし。
黒祠の浅緋と圭吾もたまらなくツボだ。
主を監禁監視抑止そしてバックアップする絶対忠誠のしもべ、という主従関係がひねり効いてます。
黒祠の島、情景描写がすばらしいと思う。
海上を渡る時の風や雲や近づく陸の大気を体感するように伝わってくる。
ラストシーンの、急激に盛り上げて物語で一番美しい情景で一気に終わる映像観がいい。
設定が美味しいのに、未消化な点が多い事がすごく気になって残念。
事件のトリックは解明されたけど、題材たちの着地は全ては無かった。
爽快さと同時に、島に取り残されるような読後感。
色々不明で不快ながらも、それはミステリアスな感覚で妙味はある。
村の信仰が序々に崩壊していくだろう、と主人公の考えで終わりますが。
ならば余計に、この物語、この設定、この島の話はここから先がすごく面白いんじゃないかと思った。
断罪者(神=馬頭)への信仰が薄れる→失われる畏怖→罪が犯される→
断罪者によるえげつない罰がむっちゃ発動→再び恐怖に支配される島→
ついに不信をあらわに島人蜂起→断罪者の本能覚醒→大惨事で島崩壊→
業火の島に留まるか、密かに脱出し新たな聖地を探し流浪する、行方不明の浅緋と圭吾。
いつのまにどこからか屍鬼の外場村と沙子&静信(辰巳でもOK)ぽくなるよ。
とにかくツボ

邪教の島というモチーフも、罪と罰とは?というテーマもとても良いと思う。
未消化でもったいない部分は、勝手に考察(憶測)する余地となったかも。
萌えたりその後を妄想したりできて面白い。
浅緋と情景を絵で見たくてコミックス版3巻を最近購入。
顔以外の描画にこだわって欲しかった。
でも浅緋のイメージぴったり

浅緋デザインに満足です。