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二次小説。ダークというかちょっとエグめのラブコメ屍鬼ライフ。
SS18 少年Mさお&乙女Sみず (正雄→恵 )。
「 や!清水。ディナーでも一緒にどうかな。」
恵が村に降りる途中、待ち伏せしていた正雄が話しかけてきた。
「 お断り。
佳枝さんのランチにでもつきあえば。」
「 黒コゲになっちゃうだろ。起きてらんないし。
今夜の食事先が決まってないなら、おごってやるって。」
「 はあ?」
「 清水にさ、招待をわけてあげてもいいんだぜ。」
生意気に長い足を広めに開脚して立って、
片手の指をチチチと揺らし、その肘をもう片手で支えている正雄のポージングがキモい。
いらっとくる。
「 へー、あんた。獲物が自力で獲れるようになったの。正雄のくせに。」
「 当然さっ。下の牧場の家を開いたのって、俺なんだ。
畜主一家は家族8人いるからさ、清水も一緒に食事していいよ。」
辰巳が山に放った野犬たちにも正雄は嫌われていて、
飢えて殺気だった野犬の群れについに襲われて、
逃げた先が牧場で、
囲いの周囲を逃げ惑い、
ひどい騒ぎに牛が襲われたのかと出てきた畜主に救われたのだ。
助けられた=招待ゲットという成り行きだった。
「 俺って都会班になるのなんかすぐだろうなー♪
そしたらさ、腕章を一日おきに清水に貸してやってもいいんだぜ。」
「 どいて。時間が惜しいから。
遠出するかもしれないの。村の中じゃ、ディナーなんて気分になれないわ。」
「 えー。どこの誰んとこ通ってんだよ。誰 誰?
どこ行ってるんだよ? まさか溝辺町?
まままさか県庁の街まで行ってるのかよ?教えろよ清水。」
恵は正雄の横髪(もみあげ)を掴んで引き寄せる。
「 (にっこり) 」
「 痛い痛い痛い!!!」
「 ざまみろ★」
恵はそのまま腕を振り切る。
ぶうん。ぶぢ。ずささー。ぐあ。正雄はすっとんで道端の地蔵の残骸にぶつかった。
「 気持ち悪い。」
恵は手に残った毛の束を払い捨てて、さっさと国道に向かった。
***
わたし このごろとっても危うい乙女な気分。
国道のバス停の影に隠れて、都会班の車が村を出て行くのを確かめてから、
国道沿いをとびきり綺麗にモデルウォーキング。
車が停まって声かけられたらそれは 招待 よね。
すぐに一噛みすれば意のままよ。
わたしの行きたいトコまでドライブさせて、朝になるまでに外場に送るように言いつければ無問題。
降車の際にたっぷり食事すればいいものね。その姿って、
大人の恋人同士がデートの終わりに車の中でキス(きゃ)してるみたいに見えちゃうかも☆
うふうふうふ。王子様の車はまだかしら?
きっとそのうちに洒落たスポーツクーペが停まって美青年がナイトみたいな手ぶりで助手席のドアを開けてくれるのよ。それで、、、こんな可愛い女の子がこんな時間にどうしたの送って行くよ恵ちゃんっていうのかモデルさんかと思ったよ恵ちゃんおなかがすいてないかい新しいレストランが美味しくてねオープンテラスから高速道路の夜景を見ながらノンアルコールカクテルを 「 清水こやしこやし。」
あ?
「 カーブんとこに肥やし。踏むぞ。トラクターから落ちたんだな。」ゾンビのように正雄あらわる。
「 はあぁ
ああぁああぁぁっっ!!!」
蹴り!蹴り!蹴り蹴り蹴り蹴り蹴りっ!!!「 な、なにすん・・ヒド・・」
「
ぉぉおあはぁああ・あたあっっ!!!」
拳!
拳!拳っっ!!!「
がほうっっ!!・・へへ・・ヘ・・お前はすでに死んでいる って言いたいんだろー清水う(はあと)。」
正雄の後頭部の下、うなじの上、引っ張ると痛い生え際の髪を掴んで、
恵は足蹴で車道に突き飛ばす。
キキキキ
ギャキキどんキキーッ!!!ぐしゃ。
めちゃくちゃいかした車が停まった。外車、イタリアの車だと思う。
リアガラスからなぜか後ろ向き(つまり外向き)にモニターが設置されている。
アニメが映っている。萌え系?な女の子。
アイキャッチにひぐらしのなんとかって書いてあったような。
なんだかすごく痛い。
正雄をはねたイタ車から運転手が出て来た。
「 どどどどうしようどうしよう~~ちょっと、おたく、だだだだいじょうぶだよね?
で電話どこだろ、び病院つれてかないと、く車に乗って 」
車はかっこいいのに。オーナーは・・・・・残念だった。
正雄はニヤリとほくそ笑む。
「 また招待ゲットしちゃったぜ。
さ、ドライブ、連れてってやるよ、清水う(はあと)。
車ゲット。自分で運転してえな。徹ちゃん(仮免)に習おーっと。」
口の端から血を垂らしている笑顔がどうにもキモい。
ひかれた腕についたタイヤの跡が、ちょっと都会班の腕章っぽくて、
正雄は嬉々と舞い上がってた。
了